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Taxとネオアンチゲンを標的とした成人T細胞性白血病/リンパ腫に対する樹状細胞療法

成人T細胞性白血病/リンパ腫(ATL)に対するTax(ウイルスが作るタンパク質で、免疫を使ってATLの細胞を攻撃する場合に目印になります)を標的とした樹状細胞療法は、British Journal of Haematology1)という国際的な血液専門誌に素晴らしい治療成績が報告されています。当クリニックは、British Journal of Haematologyに報告されている方法を忠実に再現し、同誌で報告されている性状の樹状細胞が得られることを確認した上で提供しています。

Taxを標的とした樹状細胞療法には、1. 少数例ではあるものの骨髄移植に匹敵する治療成績が報告されている。2. 副作用は少なく、樹状細胞接種部の発赤・腫脹や1日程度の発熱が見られる程度である。3. 2週間毎に計3回の樹状細胞を投与するだけで治療が終了する(ウイルスの予防接種のような注射です)。4. 他の治療法との併用が可能である。といった大きな長所がいくつもありますが、ATLの細胞がTaxを発現していない患者様も50%近くおられ、こうした場合の治療効果は疑問視されていました。

一方、ATLの細胞は非常に多くの遺伝子の異常を有することが明らかにされており、その数は悪性黒色腫や非小細胞肺がんに匹敵することから、これらのがんと同様に、遺伝子の異常によって生じるネオアンチゲンを標的とした免疫療法が有効であると考えられています。実際に、悪性黒色腫では、ネオアンチゲンを標的とした免疫治療で良好な治療成績が得られたことが、既にNature2)という権威ある雑誌に報告されています。今回、当クリニックは、中村裕輔先生(がん研究会がんプレシジョン医療研究センター所長)と共にがんペプチドワクチンの研究開発を進めるCancer Precision Medicine (CPM) 社の支援を受けて、ネオアンチゲンに対する樹状細胞療法の提供も開始しました。

ATLの原因ウイルスであるHTLV-1の感染後、経時的にTaxの発現率は低下し、逆に遺伝子の変異数は増加してきますので、Taxとネオアンチゲンを標的とする樹状細胞療法をうまく使い分け、或いは併用することで、キャリアーの方から、白血病/リンパ腫の患者様まで幅広く対応することが可能になりました。
現在、キャリアーの方のATL発症を未然に防ぐ方法はありません。また、ATLに対する治療も、従来の化学療法に加えて、ポテリジオ(モガムリズマブ)、レブラミド(レナリドマイド)などの新薬も導入されましたが、いずれも効果は短期間で、長期の寛解或いは治癒を目指すには、今もって同種骨髄移植しかありません。しかし、同種骨髄移植にはドナーが必要ですし、移植に伴う重大な副作用もあります。こうしたことから、キャリアーでATLの発症のリスクを減らしたい方や、同種骨髄移植以外の方法で長期の寛解を得たいと考えておられる方にTax或いはネオアンチゲンを標的とした樹状細胞療法は適していると考えられます。

1) Suehiro Y, et al. Clinical outcomes of a novel therapeutic vaccine with Tax peptide-pulsed dendritic cells for adult T cell leukaemia/lymphoma in a pilot study. British Journal of Haematology. 2015, 169, 356-367
2) Patrick A. Ott, et al. An immunogenic personal neoantigen vaccine for patients with melanoma. Nature 2017, 547, 217-221

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